Japan-Eurasia Society newspaper (日本とユーラシア新聞)

A short essay I wrote for the Japan-Eurasia Society newspaper (日本とユーラシア新聞).  I talk about a small exchange between Japanese and Russian kaomoji (emoticons). Many Japanese emoticons such as (‘Д’)、ъ(゚Д゚)、щ(゚Д゚щ) include Cyrillic characters, and at the same time the Japanese katakana character ツ is interpreted as a smile and widely used in Russian social networks (for example: ツツツ ♥ツ ¯_(ツ)_/¯).

顔文字を通した日ロ交流

最近(‘Д’)、ъ(゚Д゚)、щ(゚Д゚щ)といった顔文字を日本語のインターネットや携帯メールでよく見かけますが、みなさんはその顔文字の一部として使われているД・ъ・щ、それぞれの読みや由来が分かりますか?

情報化の進んだ現代社会では、文字を使ったコミュニケーションの量が日々増えているとともに、インターネットを通じて普段は使うことのない外国の文字や記号もよく目に入るようになりました。このようななかで、日本では外国の文字・記号をその形のみを借りて顔文字の一部として使う例をよく目にします。 m(_ _)m(謝罪や感謝を表す)、(T_T)(悲しみを表す)など、日本で親しまれているローマ字を使ったものがあれば、数学で使われているAをひっくり返した記号「∀」やギリシア文字のオメガ「ω」などのように、日本人にとって珍しい文字が顔文字の一部として定着した例も見られます。例えば、(・∀・)、( ^ω^)(喜び、笑い)などがあります。

そのなかで、( ̄Д ̄)ゞ、ъ( ゚ー^)」、щ(゚Д゚щ)など、ロシア語の表記に用いられるキリル文字を顔文字に使ったものもあって、キリル文字のД(英語のDに対応して、デーと発音される)は特によく目にします。そのДが日本人にとって口に見えるようで、(;´Д`)(悲しみ)、(゚Д゚)(驚き)など様々な感情を表すバリエーションがあります。日本ではほぼ一般化した文字表現ですが、本国のロシアではДを顔文字として使う発想が全くなく、筆者自身も日本に来て初めて、こういう使い方もあるんだなと感心しました。

ところが、ロシアでは顔文字にДが使われていませんが、その代わりにある日本の文字が活躍しています。実は近頃、片仮名の「ツ」が顔文字、欧米風に言うとスマイリーマークとして用いられていることがインターネットで見かけるようになり、特にロシアのSNSにおいて「ツ」が頻繁に姿を表しています。「ツ」は、その形が :) や ;) といったロシアでよく使うスマイリーに似ているということもあって、流行ったのでしょう。

Vkontakteというロシア最大のSNSで「ツ」で検索をかけると、「ツツツ」のように連続スマイリーや¯_(ツ)_/¯のようにスラッシュや括弧を使って上半身を表したものや♥ツのようにハートとの組み合わせなど、たくさんの使用例が出てきます。

このように、日本とロシアの間で、顔文字を中心とした小さな交流が行われていると言えます。もちろん、日本の「ツ」あるいはロシアのДの意味や用途を意識せず使う人が多いと思いますが、なかには「顔文字に使うДは何語ですか?」や「ツのスマイリーの由来を教えてください」などとウェブ上で尋ねる人もいます。こんな小さなことでも特に若者にとってお互いの文化を知るきっかけになるので、これからも、日本とロシアがお互いに興味を持って、様々な形で繋がりを作っていくことを心から願っています。

シャルコ・アンナ 日本とユーラシア新聞 「日本へのまなざし」(2014年5月号)